59になる私から若い君たちへ

2023/08/23

59になる私から、若い君たちへ。


私が漢方の研究を始めた1990年代半ば、東北大学で漢方の研究をして医学博士を取ると言ったら、そんな呪いのようなもので東北大学の博士号は取れないと言われた。しかし最終的に私は東北大学開闢100年以来始めて、漢方の研究で学位を取った医学博士になった。


私が漢方のエビデンスを検証すると言ったら、漢方の「偉い先生たち」から漢方は個の医学だから、西洋医学のEBMなどで効果は検証出来ないと言われた。お前なんか漢方医じゃ無いと言われた。しかし私はいくつものRCT(ランダム化比較臨床試験)やシステマティック・レビューを行い、それを元に英論文を48本書いた。今ではWHOが世界の伝統医学がどの様な分野でどれほど科学的検証が進んでいるか調査する研究に対し、意見を求められるほどになった。


Wikipediaの英語版のyokukansanの項は私が立てた。ぎっしり臨床・基礎のデータを付けたら、誰か(おそらく日本東洋医学会系の誰か)がそれを全面削除し、ツムラの手帳を丸写ししたような文章に変えた。それを私は再度ひっくり返し、必要なデータに絞り込んで英語版Wikipediaのyokukansanのページを改訂した。何度か消されては戻しをくり返したが、ついに向こうが諦めた。


今回私は日本語版Wikipediaの「漢方医学」の項を全面刷新した。今のところ邪魔は入っていないが、日本東洋医学会版の「漢方医学」の説明とはまったく異なる記述だから、何時書き換えられるか分からない。しかし原稿は保存してあるので、何度書き換えられても復元出来る。私はそのうちこの記述に基づいて、英語版WikipediaのKampoの記述も全面的に刷新するつもりだ。


私は伝統医学を科学的に検証するという、困難な道を自らの道として選んだ。応援してくれる人もいたが、西洋医学の側からも、伝統医学の側からも、特に「えらい人々」からは常に攻撃、憎悪の的となった。その戦いは、59になった今でも続いている。


若人らよ。自ら正しいと信じた道を選んだら、怯むな。無数の敵が君を攻撃するだろう。弾は前からだけで無く、後ろからも飛んでくる。共感者、友と思った人も、権力や権威、利益の前に屈し、君から離れ、君を裏切るであろう。君はその全てを覚悟しなければならない。


しかし怯むでない。屈するな。どれほど苦しい人生であろうとも、君が常に真理の側に立って戦い続ければ、例え倒れても君は勇者である。君は自分の人生に誇りを持てる。しかし一度屈してしまえば、君の悔いは永久に晴れない。どれほど自らに言い訳しても、君の良心は君をさいなむ。


君は孤独を噛みしめなければならないだろう。しかし真実を貫いていれば、何時かは人々が君を認める。それが君の死後であったとしても、それが何であろうか。ガリレオがつぶやいたごとく「それでも地球は回る」。死ぬ時に悔いが残る人生を歩むな。


若人らよ!!!
https://ja.wikipedia.org/wiki/漢方医学?fbclid=IwAR2C2Iw5u-Y5IzseiTBOK9xHtC2wbD783iUWP3N5bL1rcI0jBeakVeJ0IAo


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