JAMA (Jaournal of American Medical Association, アメリカ医学会雑誌。世界三大医学雑誌の一つ)の論文に本日私が付けたCommentが載りました!なぜかAyuminoがAyuminiになっていますが、まあ、いいや。日本の開業医のCommentがJAMAに載ると言うのは前代未聞です。
元になった論文は韓国のグループが出した鍼灸の研究論文ですが、そもそもこうした伝統医学の論文がJAMAのような極めてレベルが高い医学ジャーナルに載ること自体が稀です。元の論文は「鍼は腰痛に有効か?」を調べた9448本の英語の研究論文から「ランダム化比較臨床試験」という現代医学で正確性に優れるとされる臨床研究法を用いた研究10本をセレクトし、それらの論文の責任著者に依頼してそれぞれの研究の参加者の元データを提出してもらい、それを全部ひっくるめてもう一度統計にかけたら、次のことがわかった。すなわち、RCTで用いられる本物の針治療に対する対象群(コントロール群)になる偽ばり(シャム鍼。ごく浅く皮膚に触れるかどうかぐらいで刺したりする方法)であっても、本物の鍼のグループと同じ正しい経穴(ツボ)に刺激をしていると、それは本来のやり方で刺した場合と同程度の有効性を示し(両群の効果には統計的有意差がない)、一方それは経穴ではないところに刺した場合と比べると統計的に有意に有効であった。と言うものです。それに対する私のコメントは、
Exact acupuncture points selection is the most important in Acupuncture
Koh Iwasaki, M.D., Ph.D | Director, Ayumini Clinic, ex Professoe of TCM Dept. Tohoku Univ. Japan
This meaningful paper suggests that exact acupuncture points selection is more important than strength or depth in acupuncture. Acupuncture is the most widely spreading TCM method but without exact acupuncture points selection, it doesn't affect.
(この有意義な研究は鍼灸治療では経穴(ツボ)を正確に選択することが鍼の強さや深さより重要であることを示している。鍼灸は世界で最も広く用いられる中医学(中国伝統医学)の治療法だが、経穴を正確に刺激しないとその効果は出ないのだろう)
と言うものです。たかがコメントと言ってもJAMAともなると滅多に載らないのですが、おそらくこう言う伝統医学の研究に適切なコメントをつけられる医学研究者というのが稀だったのでしょう。石巻の、というか日本の一開業医がJAMAにコメントしたのが採用されるというのは、おそらく過去に例がないだろうと思います。石巻もものづくりから情報発信にシフトしていくべきだというのが私の持論ですが、その一助となれば幸いです。論文と私のコメントは下のリンクの通りです。
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2808958?fbclid=IwAR14MJrVRAMpCHmXxEVebjdxU4F6y4NaOmvwwCTSMPMcoLcWpolGv4nXaRs