尿酸値が高いと言われたら

2023/09/22

先ほど、会社の検診で尿酸値が高いから病院で薬を出してもらえと言われたが出してもらえるかというお問い合わせがありました。その方の尿酸値は9ぐらいだったそうですから、基準値よりは高いです。


しかし最近尿酸値が高い人を治療すべきかどうか、医学の考えが変わってきました。原則は、これまで痛風発作を起こしたことがある人は、再発作を防ぐために尿酸値を下げましょう、しかし痛風発作を起こしたことがない人は、特に治療の必要はありませんということになっています。


その方にはそうしたご説明をしましたが、どうやらその方は「ともかく会社から言われたんだから会社が言う通りにするんだ」と言うお考えだったらしく「じゃあ他を探します」と言って電話を切りました。


おそらく今でも最新の内科診療の知識をアップデートしていない医者なら「尿酸値が高ければ薬を出す」と言う医者はいるでしょう。その人はそう言う医者を探すつもりのようです。しかしそう言う医者は不勉強なのです。そもそも不勉強な医者にかかるのは危険です。それに痛風の薬にはもちろん副作用があります。例えば代表的な薬であるアロプリノールは稀ですが反血球減少症、腎障害、血管炎、肝機能異常などを起こすことがあります。全ての薬にはそれぞれ一定の副作用が起こりうるのですから、飲む必要がない薬を飲んではいけません。薬は「会社に言われたから」飲むものではなく、医者が医学的判断で必要と考え、それを患者さんご本人が納得して飲むものです。会社の上司は医者じゃないんですから。


と言うわけで、当院では痛風発作を起こしたことのない人に尿酸を下げる薬は出しません。

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