「私の前に現れる人は、皆患者である」

2023/12/09

私が片言英語を話せることが伝わっているらしく、当院には時々外国人の患者さんが見えます。

ある時、電子カルテで患者名を見たら明らかにロシア系の方でした。お名前は忘れましたが、私は待合室に出て「マダーム、パジャールスタ」と呼びました。パジャールスタはプリーズです。どうぞ、というぐらいの意味で使います。


そうしたらその女性は転がり込むように診察室に入ってきて「今、ロシア人と思われたくありません」と言ったのです。その方は日本語が堪能で、私のロシア語は拙かったので診察は日本語でやりました。診察が終わったあとザボーチッツァ、お大事にとは言いましたが。


海外に暮らして、故国を恥じなくてはならない人がいます。大変辛い思いをされていると思います。しかしあゆみ野クリニックの標語の第一は

「私の前に現れる人は、皆患者である」


です。何人だろうが、肌が黒かろうが白かろうが、ヤクザだろうが、病んで当院にくる人は皆患者です。まあその、中には睡眠薬の売人だったという人がいて、そういう人は出入り禁止にしましたが・・・。
 

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