石巻あゆみ野駅前にあるあゆみ野クリニックでは漢方内科・高齢者医療・心療内科・一般内科診療を行っております。*現在訪問診療の新規受付はしておりません。
この秋のコロナワクチン接種について(前置き長いです)
2024/07/30
先日石巻市から「10月からコロナワクチン接種をやるが、貴院では取り扱うか?」という問い合わせがあり、私はうーん、と考え込んでしまいました。
私はアンチワクチンではありません。ワクチンは地球上で無数の人々の命を救ってきた偉大な発明であり、漢方や中医学の「未病を治す」医療そのものです。
同時に私は、ワクチンが時に重大な副反応を起こすことも承知しています。中には死亡例もあります。
先日、ある患者さんからこう言う話を聞きました。その人の旦那さんが、コロナワクチンを接種したその晩、突然死したそうです。剖検されましたが、死因は不明だったと。
無論患者さんは、夫が死んだのはワクチンの副反応だと考えており、「何故あんなものを夫に打たせてしまったのか」と自分を責めているのです。
この例について「男性の突然死は一定の確率で生じうるからそれは偶発的な事象に過ぎず、ワクチンとの因果関係は証明出来ない」などと言い放つ医者がいたら、それは医者失格です。少なくとも臨床医としては失格です。単に患者に対する同情からだけでなく、「なるほどそういう状況経過であれば、ワクチンの副反応で亡くなった可能性はあるだろう」と医学的にも考えるべきです。可能性を疑わない者は、科学者ではありません。
しかし、それでもワクチンは、地球規模で数え切れないほど多くの命を救ってきました。
医療が行き届かない状況にある国や地域に行ってまずやるべき医療支援の一つが、ワクチン接種です。そういう国や地域では、「病院を建てましょう」と言っても、病院一つ建てるって何年もかかりますし、建物が建っても電気がない、医療に不可欠な清潔な水が手に入らない、医療従事者が育っていない等々、なかなかことは進みません。しかしワクチン接種なら、コールドチェーン(低温に保冷して輸送する手段)だけ確保すれば、出来るのです。
例えば、はしか。はしかは今でも世界的に流行をくり返しています。2019年に世界で50万人以上が感染する大流行の後、コロナ禍で人々の移動が減少し感染予防対策が徹底されたため、逆にはしかの流行はしばらく収まっていました。しかしコロナが弱毒化し、人々が以前の生活を取り戻すにつれ、再びはしかが流行するようになりました。昨年には日本でも28人のはしか感染が確認され、今年は3月末日現在で既に11人がはしかに感染しています。
しかし1963年、麻疹ワクチンが開発され、世界中で接種されるようになる前は、こんなものじゃなかったのです。世界で毎年推定260万人がはしかで命を落としていたそうです。麻疹ワクチンは、まさにそういう人々を世界中で救ったのです。水痘も日本脳炎も破傷風も、ワクチンを打っていなければ極めて高い致死率を示す疾患です。
私はよくアンチワクチンの人々にこういう皮肉を言います。なるほど、あなた方が言う通り、ワクチンは時に重大な・・・死亡を含む副反応を起こす。しかし今あなたが元気でワクチンの害を論じることが出来るのは、あなたが子供の頃、あなたのお母さんがきちんとあなたに定められたワクチンを接種させたおかげです、と。
さて、そこで本題です(ここから?ってのは無し)。この秋、政府はまたコロナワクチン接種を実施するそうです。今回は「65歳以上、腎臓病、糖尿病を持つ人だけ」が対象で、これまでのように無料クーポンを配って大々的にやるというのではないようです。
さて、上記に該当する人々がこの秋のコロナワクチンを受けるメリットはあるでしょうか。
先日当院に、ファイザーが最新ヴァージョンのコロナワクチンを出したと業者が紹介しに来ました。最新型の変異株に対応したワクチンだそうです。どれどれ、と添付文書(要するに説明書き)を読んだら、効能効果のところに
「本薬剤の有効期間は不明である」。
たった一行、これしか書いてありませんでした。感染予防率も重症化予防率も、一切記載がありません。私は黙ってそれを業者に見せ、業者もしげしげとそれを読み、お互いに顔を見合わせて笑い出してしまいました。もちろん、その話は無しになったのです。
そんなものは、到底お勧め出来ません。効能効果が「本薬剤の有効期間は不明」としか書かれていない薬剤なんてものは、初めて見ました。その他に起こりうる副反応とその確率などが色々書かれていましたが、肝心の効能効果がこれでは・・・。
と言うわけで、この秋のコロナワクチンは「どうしても」という方がいればあゆみ野クリニックでもやりますけど、全然お勧めはしません。どうしてもご希望の方は、自己責任でお願いします。
私はアンチワクチンではありません。ワクチンは地球上で無数の人々の命を救ってきた偉大な発明であり、漢方や中医学の「未病を治す」医療そのものです。
同時に私は、ワクチンが時に重大な副反応を起こすことも承知しています。中には死亡例もあります。
先日、ある患者さんからこう言う話を聞きました。その人の旦那さんが、コロナワクチンを接種したその晩、突然死したそうです。剖検されましたが、死因は不明だったと。
無論患者さんは、夫が死んだのはワクチンの副反応だと考えており、「何故あんなものを夫に打たせてしまったのか」と自分を責めているのです。
この例について「男性の突然死は一定の確率で生じうるからそれは偶発的な事象に過ぎず、ワクチンとの因果関係は証明出来ない」などと言い放つ医者がいたら、それは医者失格です。少なくとも臨床医としては失格です。単に患者に対する同情からだけでなく、「なるほどそういう状況経過であれば、ワクチンの副反応で亡くなった可能性はあるだろう」と医学的にも考えるべきです。可能性を疑わない者は、科学者ではありません。
しかし、それでもワクチンは、地球規模で数え切れないほど多くの命を救ってきました。
医療が行き届かない状況にある国や地域に行ってまずやるべき医療支援の一つが、ワクチン接種です。そういう国や地域では、「病院を建てましょう」と言っても、病院一つ建てるって何年もかかりますし、建物が建っても電気がない、医療に不可欠な清潔な水が手に入らない、医療従事者が育っていない等々、なかなかことは進みません。しかしワクチン接種なら、コールドチェーン(低温に保冷して輸送する手段)だけ確保すれば、出来るのです。
例えば、はしか。はしかは今でも世界的に流行をくり返しています。2019年に世界で50万人以上が感染する大流行の後、コロナ禍で人々の移動が減少し感染予防対策が徹底されたため、逆にはしかの流行はしばらく収まっていました。しかしコロナが弱毒化し、人々が以前の生活を取り戻すにつれ、再びはしかが流行するようになりました。昨年には日本でも28人のはしか感染が確認され、今年は3月末日現在で既に11人がはしかに感染しています。
しかし1963年、麻疹ワクチンが開発され、世界中で接種されるようになる前は、こんなものじゃなかったのです。世界で毎年推定260万人がはしかで命を落としていたそうです。麻疹ワクチンは、まさにそういう人々を世界中で救ったのです。水痘も日本脳炎も破傷風も、ワクチンを打っていなければ極めて高い致死率を示す疾患です。
私はよくアンチワクチンの人々にこういう皮肉を言います。なるほど、あなた方が言う通り、ワクチンは時に重大な・・・死亡を含む副反応を起こす。しかし今あなたが元気でワクチンの害を論じることが出来るのは、あなたが子供の頃、あなたのお母さんがきちんとあなたに定められたワクチンを接種させたおかげです、と。
さて、そこで本題です(ここから?ってのは無し)。この秋、政府はまたコロナワクチン接種を実施するそうです。今回は「65歳以上、腎臓病、糖尿病を持つ人だけ」が対象で、これまでのように無料クーポンを配って大々的にやるというのではないようです。
さて、上記に該当する人々がこの秋のコロナワクチンを受けるメリットはあるでしょうか。
先日当院に、ファイザーが最新ヴァージョンのコロナワクチンを出したと業者が紹介しに来ました。最新型の変異株に対応したワクチンだそうです。どれどれ、と添付文書(要するに説明書き)を読んだら、効能効果のところに
「本薬剤の有効期間は不明である」。
たった一行、これしか書いてありませんでした。感染予防率も重症化予防率も、一切記載がありません。私は黙ってそれを業者に見せ、業者もしげしげとそれを読み、お互いに顔を見合わせて笑い出してしまいました。もちろん、その話は無しになったのです。
そんなものは、到底お勧め出来ません。効能効果が「本薬剤の有効期間は不明」としか書かれていない薬剤なんてものは、初めて見ました。その他に起こりうる副反応とその確率などが色々書かれていましたが、肝心の効能効果がこれでは・・・。
と言うわけで、この秋のコロナワクチンは「どうしても」という方がいればあゆみ野クリニックでもやりますけど、全然お勧めはしません。どうしてもご希望の方は、自己責任でお願いします。