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「説明されればされるほど疑問が生じる」この秋の新型コロナワクチン

2024/09/15

来月(2024年10月)から石巻でも接種が始まる新型コロナワクチンの一部に、新しく開発された「レプリコンワクチン」が使われるという。それについてこの記事では「説明が不足している」と主張するが、私は「説明されればされるほど」、疑問がわく。


これまで接種されてきた新型コロナワクチンはmRNAワクチンという、従来になかった製法のワクチンであることはご存じの方も多いと思う。新型コロナウィルスが人の細胞に侵入するために持っている「スパイクタンパク」だけを合成させるmRNAをワクチンとして体内に入れる。


従来の説明では、ワクチンとして体内に入ったmRNAはただちに分解されるから安全、とされてきた。一方、mRNAワクチンの効果が長続きしないのはまさに同じ理由、つまり取り込まれたmRNAがただちに分解されるからだ、と考えられるようになってきた。あちらを立てればこちらが立たずと言うわけだ。


そこで、ワクチンとして入れるmRNAが容易に体内で分解されないようにしたというのが今回初めて実臨床で使われるレプリコンワクチンだ。レプリコンワクチンの場合は、一度体内に入れたmRNAは体内で自己複製をくり返し、長時間体内に留まるという。だからワクチンの効果が長持ちするというのだが、ちょっと待て。


そもそも従来、ワクチンとして体内に入れたmRNAはただちに分解されるから安全だ、と言われてきたのではないか。それなら、ウィルスの一部のタンパク質をコードしたmRNAが体内で自己複製を繰り返し、長く留まるなら、従来説明されてきた安全性の理由は覆るではないか。


次ぎに、新型コロナワクチンの効果が長続きしないのは、今のmRNAワクチンで体内に取り込まれるmRNAがすぐに分解されてしまうからというよりは、新型コロナウィルスが急速に変異をくり返し、数ヶ月前に打ったワクチンは既に次の変異株には効かない、と言うのが主な原因だろうと思う。


さらに、このワクチンはどういう製法であれ要するにウィルスを攻撃する抗体を身体に作らせるのだが、新型コロナウィルスは変異する度に抗体の攻撃をすり抜ける能力を驚異的に高めている。これも明らかにウィルスが変異する度に新型コロナワクチンが効かなくなった理由と考えられる。レプリコンワクチンも、「抗体を作らせる」という点では作用機序は同じだ。それなら、どんなにmRNAが体内で複製され長期間留まっても、どのみち作られる抗体をウィルスがすり抜けるなら、感染予防効果はさして期待出来ないだろう。


どうもこれは、考えれば考えるほど、効果も安全性も疑問符が付く。


この原稿を書いている9月15日時点で、石巻市からは来月接種を開始するとされるこの秋の新型コロナワクチンについては、まだ何も通知が来ていない。数ヶ月前に一度「この秋のワクチンを引き受けますか?」という問い合わせがあり、その時は「積極的には取り組みませんが希望者がいればやります」と返事をしたのだが、このレプリコンワクチンが実際に使用されるというのであれば、私は方針を変える。


接種開始15日前の今日になってもまだ市当局から何も具体的な音沙汰がないこの秋の新型コロナワクチンだが、今回あゆみ野クリニックは接種を見合わせる。


そもそもファイザーからもたらされた、今回接種するワクチンの「効能効果」にも「本剤は新型コロナ感染を予防する。ただし本剤の効果持続期間は不明」となっていて、私はそれを読んだ時点でかなり消極的になっていたのだが、さらにレプリコンワクチンが一部使われる,しかもそれは上に説明したような代物だということなら、少なくとも今回は見合わせた方がいい。安全性、有効性が共に疑問なワクチンは、市民に接種出来ない。
 

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