いつ医師が救急車に同乗するのか

2024/09/19

救急搬送をするときでも、患者とご家族だけで行ってもらうときもあれば、看護師を同乗させるときもあれば、医師である私自身が同乗することもあります。


要するにそれは、救急搬送の中でも「やばさ」の違いがあるという事です。


まあこれは日赤に搬送だが、当院から日赤まで救急車なら10分以内だから、その間は大丈夫だろうと思えば患者本人と家族だけで行かせます。


いや、これはちょっとまずいかもと思えば看護師を同乗させます。当院の看護師はその10分の間に何かが必要になれば、それが出来る人ですから。


しかし医師である私が同乗するときというのは、ようするに救急隊の救命救急士にその場で指示命令出来るのが医師だけだから、です。つまり、毎日修羅場をくぐり抜けている救命救急士に対して「搬送時間10分」の間に医師が指示命令する必要が生じるかもしれない、と考えたときだけ、私が同乗します。


無論、僻地や離島で医療現場を守っている医師は、救急搬送にはなかなか同乗出来ません。何故なら、その患者に同乗し、戻ってくるまでに他の患者が急変するがその時医師は誰もいないという事がありうるからです。だからそう言うところでは医師はあくまでその場にいて、もし救急隊から指示を仰ぐ連絡があれば電話で対応になります。しかし幸いあゆみ野クリニックから日赤までは救急車だと10分です。だからその10分の間に医師として救急救命士に即座に指示命令を下す必要があるかも知れないと看做したときだけ、私が救急車に同乗するのです。


指示命令という言葉に反感を持つ人がいるかもしれませんが、本当に緊急なら、必ず「指示命令権」を持つ人間がその場にいなければならないのです。
 

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