石巻あゆみ野駅前にあるあゆみ野クリニックでは漢方内科・高齢者医療・心療内科・一般内科診療を行っております。*現在訪問診療の新規受付はしておりません。
慎重に経過を診ることと放置することの違い
2024/11/23
ある人が、深刻な歯の感染症にかかったが、歯科医は放置した。しかしそれでも私は治ったと書きました。
しかし、私はおそらくその歯科医は深刻な歯の感染症だと診断したのですから、適切な治療を行った後、慎重に経過を診たのだろうと考えました。しばしば患者は「薬が出ない、注射をされない、採血などの検査をされない」と「自分は放置された」と思い込みます。しかし・・・特に感染症においてそういうことが起きるし、慢性疾患である高コレステロール血症などでもそうなのですが・・・医者はその患者に検査とか、初期治療を行った後「慎重に経過を診て」、その後は特に投薬、注射、検査はしないが経過を見守る、と言うことをおこないます。それは放置ではありません。医者は慎重にその人の経過を診ているのです。何かあればすぐ介入出来るように「身構えて」いますが、そうやって経過を慎重に診たあげく、「うん、ここまで来ればこの人荷にはなにもしなくてよい」と判断すればその人には「もう治りましたから治療終了です」と告げます。ところが一部の患者さんは、これを「自分は放置された」と受け取ってしまうようです。無論、もっと懇切丁寧に時間を掛けて説明すればよいのかも知れませんが、石巻のように圧倒的な医療過疎の地域で診療している医者は、どうしても「必要な処置と判断」を優先せざるを得ません。石巻ははっきり言って都会ではありません。そういう、毎回毎回懇切丁寧な説明をする時間は無く、最低限の治療と適切な医療判断が精一杯というクリニックが・・・当院も含め・・・殆どなのです。
座り心地のよいソファーに座って懇切丁寧な医者の説明を受けたければ、それは仙台か、むしろ東京に行って下さい。石巻の開業医は常時戦時医療のような診療を強いられているのです。最低限致命的なミスをしない。もうこれだけなのです。そこはどうか、ご理解ください。