日本人の劣化

2024/12/01

仙台の住宅街の中にある小さなタイ料理屋「カオソイ食堂」で日曜日の昼飯を食った。


私がメーコーンナーム・マイサイナムケーン(メコンの水割り、氷無し)をちびちびやりながらカウソーイやパックブーンファイデーン、ラープムーなどを食べている間に若い男女が入ってきた。カップルのようだ。その店は食券を券売機で買う仕組みになっている。女がしばらくその券売機を見詰めたあげく、困った顔をしているのを見て(小さな店なのだ)店主が声を掛けた。そうしたらその若い女は「レッドカレーはありませんか?」と訊いた。すると店主は、今日はレッドカレーはありません。今日はプーパッポンカリーですと言った。すると女は男の方を振り向いて、二、三秒無言で会話した後、店主に「すいません、また来ます」と言い、逃げるように店を出ていった。しかし店を出るとき女が「レッドカレーもトムヤムクンもないんだって」という声が、私の耳にははっきりと聞こえた。


その瞬間私の口から


「憎っくき馬鹿ども!」という唸りが口を突いて漏れた。


こういう連中をまさに私は憎む。彼らは馬鹿であるだけで無く、自分が馬鹿な無知であることを恥じない。自分たちの馬鹿や無知が作り上げた狭い狭い世界から一歩も外に出ようとせず、そうした生き方に一切疑問も持たないし、恥ずかしいとも思わない。


憎い馬鹿ども!


本当に、こう言う馬鹿どもが年々増えている。特に若い連中に増えている。今海外に飛び出すのは70代だ。10代や20代ではない。


人生に躓いて不登校とか会社に行けなくなった若者に「休学を要する」「休業を要する」という診断書を書いたとき、私は彼らによく「まあ、せっかくしばらく人生の休みになるのだから、ちょっと海外にでも行っておいで」という。しかし彼らは決まって怖じ気づいて首を振る。


え、パスポート持ってないし、英語しゃべれないし、海外高いし・・・。


一万回死んでしまえ、と私は心の底で思っている。お前達のような人間の屑がやたらと増えたから、日本そのものがこのように屑になったのだ。


お前達は、若者だろう。たしかにお前はパスポートは持ってないだろうし、英語なんかまるっきり話せないだろうし、海外に行けば全ては高い。しかし、お前は若いんだ。いくらでも安宿に潜り込める。身振り手振りで意志は通じる。


「だって食べ物怖いし」。


いやお前なんか、世界中ありとあらゆる感染源に当たって死んでしまえ。どうせお前のような奴は、水を飲んだって死ぬんだから。


しかし若者をこういう馬鹿者にしたのは、大人達、つまり私たちだ。少なくとも私は若者をこんな馬鹿な屑にすることに加担はしなかったが、しかし同世代の大半は加担した。彼らはこう考えた。


俺たちは馬鹿で無能な屑だ。だから若い連中は、俺たちよりもっと馬鹿な無能な屑にしないといけない。そうでないと、俺たちがやられるから。


そして見事に奴らは、日本中の若者をこのような馬鹿で無能な屑にすることに成功した。万歳!彼らの遠大な計画は、成功したのだ!


さあ、祝杯を挙げようではないか!我々を継ぐ世代は、お前達が望んだ通りの馬鹿で無能な屑になった。これで馬鹿で無能な屑のお前達は、自分たちより下の世代を自分よりもさらに馬鹿で無能な屑に出来たから安心だと、おまえたちはそう思っているのだろう。だから祝杯だ!まあお前達が爺婆になったときお前達を救おうとする人間はこの国には誰もいないということは、お前達には言わないでおいてやるから。
 

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