胃腸薬の話

2024/12/15

相方が、自分で創った鰤大根を食い終わったら何やら胃がもたれるそうです。当家の薬箱をひっくり返しましたが、そういう時にいつも使っている平胃散が一包しかありません。ツムラ平胃散エキス顆粒(医療用)は胃もたれの時、一回3包飲むとよく効きますが、1包ではちょっと。たまたま四逆散があったので、じゃあこれを一緒に飲んでおけ、と言いました。

胃がもたれたとき平胃散がよいかガナトンがよいかパンシロンがよいか。

なんだっていいんです。

平胃散というのは難しい弁証は不要です。要するにこれは消化不良の薬です。自分としてはちょっと食べ過ぎで胃がもたれると感じたとき、一回3包飲んでください。

こういう薬は、毎日1日3回飲むものではありません。胃もたれの時一回3包。そう言うものです。難しく考える必要はありません。

漢方薬の中には、難しく専門的に考えなければ本来の効果を発揮出来ない薬と、庶民がパッと「こういう症状」のときに飲んで効く薬があります。平胃散はまさに食べ過ぎで胃もたれがするときの薬であり、それだけです。

一方、「刺身にあたって下痢嘔吐腹痛」と言うときは平胃散ではありません。これは断固半夏瀉心湯です。物の本には五苓散でも良いとありますが、私の経験上は断固半夏瀉心湯です。こう言う時平胃散なんか、全然効きません。

平胃散は食べ過ぎて胃もたれがするときの薬。食い物にあたって食あたりの時は半夏瀉心湯と、大量の水分摂取です。なお食あたりで下痢するとき下痢止めは駄目です。絶対禁忌です。そういう時はともかく飲んで下痢、飲んで下痢。要するに腸管を洗い流せば治ります。下痢を止めてしまうと、酷いことになりますよ。


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