インフルエンザの薬の話

2024/12/18

先週あたりから当院でも突然インフルエンザの患者さんが増え始めました。殆どインフルエンザA型です。


因みにインフルエンザって、なぜA型とかB型とかって分けるんでしょうか。予後も重症化リスクも治療法もなにも変わらないのですから、臨床医にとってA型B型を分ける意味は何もないんですけど。


それはさておき、インフルエンザ陽性反応が出た患者さんには漢方薬とカロナールの他に、もれなくイナビルを付けます。吸入が難しい人なら飲み薬のタミフル。


しかしあの類って、実は殆ど意味がないのです。タミフル、リレンザ、イナビル等々の臨床治験で確認されている効果は「発熱時間を約24時間短縮する」と言うだけです。


熱が下がるまでの時間を短縮するだけならカロナールとなにが違うのって訳です。因みにあの類の薬を使っても、患者からインフルエンザウィルスが排出される時間は短縮されません。個人差はありますが、日頃健康な成人の場合患者からは平均五日間、ウィルスが排出されます。そしてこの時間はあの手の薬を使っても変わりません。因みに解熱までの時間は、麻黄湯とタミフルで差がない、と言うことも臨床的に確認されています。


ああ言うのって、「出さないと患者が文句言うから出しとく」だけです。私自身かつてインフルエンザにかかったときは麻黄湯の倍量服用だけで治しました。まあ、要するに水分しっかり取って寝ていれば治るんですけど、どのみち。





 

PAGE TOP