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「漢方は長くじんわり効くが副作用はない」というのは「完全に間違っています」

2025/02/26

漢方は長く飲むとじんわり効くものだが副作用は少ないというのは

 

「完全に間違っています」。

 

皆さん、風邪の時葛根湯を飲んだことはあるでしょう?風邪に葛根湯を飲んで、「長く飲むと1ヶ月もしたら風邪は治ります」ってナンセンスですよね?



そもそも中国伝統医学で使われる生薬は、西洋ハーブより遙かに効果も毒性も強いのです。それは元々中国伝統医学の始まりが強毒性の疫病に対する戦いとして始まったからです。「傷寒(しょうかん)」が今ではどの様な病原体による感染症であったかは分かりませんが、傷寒論の原著者とされている張仲景はその序文に、


「私の親族は元々200人以上いたのに、ある年以降10年で2/3が死に、その死因の7割は傷寒だった」と書いています。凄まじい感染症だったようです。こう言うものを相手にしながら成長してきたのが中国伝統医学ですから、もともと「生活改善」だのと言うのとは違うのです。


目の前で凄まじい感染症で人がバタバタと死んでいく状況の中でそれをどうにかしようというのですから、治療はまさに「のるかそるか」なのです。猛毒の生薬を思いっきり大量に使い、これで助けられるか、駄目なら死ぬか、という話だったのです。


現在の日本の漢方薬エキスは、傷寒論など原典の生薬の量を極端に減らし、副作用を減らすかわりそんな致死的な感染症には到底対応出来ません。要するに、「お子様ランチ」にしたものです。


お子様ランチで治せるのはせいぜい風邪程度です。マジで重病に漢方で相対すると言うときは、原典の量を参考にして、薬害を覚悟しつつ思い切って大量を短期間使う。つまり今の肺炎に対する抗生物質と同じような発想で使うのです。


漢方薬は自然の生薬だから、効果は弱く作用が出るのは長時間かかるというイメージは、


「完全に間違っています」。


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