他人の人生は一人では歩めない

2025/03/11

あゆみ野クリニックでこれ以上心療内科を続けて良いのか、今迷っている。私は、他人の人生を歩んでしまっている。来る日も来る日も、人生に追い詰めたられた人々が来る。来る日も来る日も、人生の苦しみを訴える人々が来る。絶え間なく。


最近、明らかに私の精神がおかしい。相方に当たる度合いが酷すぎる。その理由を考えていくと、結局石巻のみならず、周辺諸地域全てから集まってくる他人の人生の苦しみを毎日毎日受け止めているのが、もう私にとって限界なのだ。医者として客観的に受け止めているつもりが、実は出来ていないのだ。


私には私の苦しみがある。スタッフが急に辞めた、医療事務が揃わない、経営が、自らの老いが・・・。


そんな中で、他人の人生の、しかもそれぞれが全く違うそれぞれの人生の苦しみ悩みを抱えてくるのを、今の私はもう受け止めきれない。


看護師は看護師なりに、医療事務は医療事務なりに、それぞれの持ち場を果たしてくれる。いやそれどころか、当院のスタッフは私の気がつかないところで、それ以上の仕事ぶりを発揮してくれている。彼らがいなければ、私はもうとっくに潰れていただろう。彼らは可能な限り私一人に荷重が集中しないように私を助けてくれているのだが、しかしそれでも私は今のままでは潰れてしまうと思う。いや、私が潰れると言うより、相方を危険にさらしてしまうことを恐れる。


おそらく、ソーシャルワーカーという職種の方が一人必要なのだと思う。私個人が塵労の世の全ての苦しみを引き受けるのは無理だし、これ以上そうやってはいけないのだ。


石巻で働いてくれるソーシャルワーカーなんて人が見つかるかどうか分からないが、しかしそういう人の助け無しに、私は今の仕事を続けられないと思う。

 

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